コンパウンド・ボウ アキュライザーII ボウマン社製 アーチェリー用の弓です。 このタイプの弓は、滑車で力を増幅するので、普通の弓(オリンピックなどで使う弓)より、弱い力で強い弓が引けます。 前方の黒い棒と、左側の銀の棒は、バランス重りです。(スタビライザーと言います) ・・・グリップをしっかり握らなくても、弓が傾かないように、重りで調節します・・・ ・・・写真は、矢をセットした状態です・・・ |
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ハンドル部分のアップです。 この弓は、グリップがフレームから独立しており、ボールジョイントで回転するように作られています。 弓を握った時に、手の力で弓がねじれるのを、フリーに回転させることで逃がす設計です。 矢を載せるレストの位置は、標準的なものより、かなり後退しています。 これは、短い矢を使うための工夫で、矢の重さを減らせるので、矢速を向上させやすく、弱い弓でも、遠方まで矢を飛ばせます。 矢の手前の半円形の金具は、短い矢を撃ち損なった場合に、手に矢が刺さらないようにするための、ガードです。 照準器(サイト)は、競技用のではなく、ハンティング用のを流用しています。 競技用と比べると、精密な設定はしにくいですが、設定変更は、遙かに簡単です。 ・・・ちなみに、こういった設定は競技会向きではなく、レギュレーションで、はねられる可能性が大です・・・ 照準器は、シュアロック社の、リーサルウエポンMAXです。 0.5ジオプターのレンズをセットしています。 スタビライザーは、Kプロ・バイメタル社の、カーボン・ロッドの、長いのと短いのを一本ずつセットしています。 |
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コンパウンド・ボウの心臓部である、滑車(キャム)のアップです。 右側のケーブルが、弦(ストリング)です。 ・・・黒い滑車に掛かっている・・・ 矢をつがえて引くと、弦に引っ張られて、滑車が右回りに回転していきます。 滑車の形が、螺旋状に半径を拡大していくので、弦を引く距離と滑車の比例値が一定ではなく、引く距離にかかわらず、一定の重さになるように設定されています。 弦を引ききる直前で、滑車の比例値が急変し、重さが軽くなるように作られています。 この作用は、銀色の滑車に巻き取られる、ケーブルが受け持っています。 こういった構造となっているため、弦の引きはじめから重いですが、重いままで引ききると、軽い状態で保持できるようになります。 重い弦を引ききったエネルギーは、弓に蓄えられているので、普通の弓と比べて、大きなエネルギーが放出できます。 |
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弦をいっぱいに引いた所です。 黒い滑車は、大きな半径となって、弓の反発力は、あまり負担していません。 ・・・弱い力で引っ張れる・・・ 銀色の滑車は、小さな半径となって、弓の反発力を一手に引き受けています。 こちらに掛かったケーブルは、ぱんぱんです。 弦がリリースされて、滑車が巻き戻り出すと、銀色の滑車の半径は大きくなって、負担が軽くなり、黒い滑車の半径は小さくなって、強く弦を巻き込んでいきます。 このため、滑車が巻き戻ってきて、弓に蓄えられた反発力が小さくなってきても、弦を巻き込む力は衰えず、弦を巻き込み切る直前まで、矢を加速し続けます。 ・・・この結果、矢は高速度で飛行することとなります・・・ 簡単にまとめると、弦とケーブルが滑車の両側から引っ張りっこをしており、引っ張り位置によって、おのおのの負担率が変わる・・・と言うような仕組みです。 こういった仕組みは、発明されて40年ほどだそうですが、天才的なひらめきですね。 弓が発明されて、数千年以上たちますが、最近まで、こういった仕組みは存在しませんでした。 |
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レスト 矢を載せる台座の部分のアップです。 左側の斜めの金具に矢を載せます。 この金具は、スプリングで上下に動くようになっており、発射時の矢の暴れを吸収します。 ・・・通常は、矢の重さで沈まない程度の強さに調整します・・・ 矢筈(ノック)が、弦にはまっている部分のループ状の紐に、リリーサーをセットして、矢を発射します。 メーカーは、ゴールデンキー社。 プラチナ・プレミアと言う製品です。 ・・・最近メーカーが変わって、Spot Hogg社から同一品が販売されています・・・ |
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リリーサー 矢を発射するための道具です。 右側のバンド部分を手首に巻いて、左側の、口金に弦のループ状の紐の部分を挟んで弓を引き、引き金を引き絞って発射・・・と言うような使い方をします。 リリーサーにも色々なタイプがありますが、このタイプのように手首にバンドを巻き付けるリリーサーは、握力が弱くても、扱いやすい方式です。 引き金の感度は調整できます。 口金に、小さなローラーが付いているのは、このメーカーの工夫です。 ・・・スムーズに紐が外れるらしい・・・ メーカーは、プロリリース社。 ローライドと言う製品です。 |
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ピープサイト 弦に取り付けた、照準用の接眼レンズモドキです。 ピンホールとなっており、レンズと同様の作用があります。 ハンドルに取り付けたレンズとセットになって、照準器のスコープを形成します。 構えた時に、覗きやすい位置に調節し、動かないように、糸で固定します。 |
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矢をつがえる、弦の部分のアップです。 カギ型の金具は、矢をつがえた時、ピープサイトが、同じ向きとなるようにするための仕掛けです。 ・・・弦は、ただの紐なので、そのままでは、ねじれて色々な向きになってしまいます。 |
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矢(アロー)の作り方 矢を新調したので、作り方を簡単に紹介します。 手前が、完成した矢。 奥側が、材料です。 黒い棒がシャフト。 黄色と白の矢羽根(べイン)。 銀の頭の付いた黄色の棒が鏃(ポイント)。 オレンジ色のが矢筈(ノック)。 |
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まず、シャフトを切断します。 写真のように、アローカッターにシャフトをセットして、切断位置を合わせます。 矢の長さは、通常は、弓につがえて引き絞った時に、レストから数センチ飛び出すように設定します。 飛び出し量を増やすと重くなり、相対的に柔らかい矢となって、安定性は増しますが、飛ばなくなります。 このアローカッターは、自作なので市販品ほど、使い勝手はよくないです。 |
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アローカッターの右側のクランプ部にシャフトを当てて、切断する長さを調節します。 市販のアローカッターは、ここにシャフトを当てる金具が付いているのですが、これは自作なので、クランプにナットを接着して、代用しています。 長さは、巻き尺で測ってクランプの位置を調整します。 |
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カッターの切断砥石の部分です。 モーターを起動して、回転が安定したら、写真のように、シャフトを軽く当てて、回しながら、少しずつ切断します。 ムリに切ってしまうと、切断面が斜めになってしまったり、シャフトが割れてしまったりします。 シャフトは、右方向のクランプに押し続けておかないと、長さがくるってしまいます。 この辺は市販のアローカッターでも、似たようなものです。 |
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シャフトを切断したら、バリ取りをして、ノックの取り付け側のシャフトの太さが少し太いので、紙ヤスリで削って、ノックが差し込めるようにします。 ノックは、通常は接着せず、きつめに差し込むだけとします。 レストとの位置関係を調節するために、少し回す場合があるからです。 又、矢が当たってノックが割れてしまう場合もあるので、外れるようにしておいた方が、つぶしが利きます。 このシャフトは、AVIA社の、 プロセレクト #180 です。 ・・・ゲイラカイトの骨用のカーボン・シャフトを、矢に転用したものですが、 比較的安価で丈夫です・・・ |
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次は、ポイントの調整です。 任意の折り線で折って、重さを決定します。 重い方が安定しますが、飛びません。 軽い場合は逆です。 矢が完成した時の重心位置は、矢のセンターより前にくるようにして下さい。 センターより後ろだと、かなり不安定な飛び方となります。 もう少し堅い話としては、矢羽根を含めた矢の空力中心より前に重心位置を持ってこないとダメ・・・と言うことです。 矢の重さと、シャフトの硬さ、長さの組み合わせによって、矢の固有振動数が変わり、飛び方が変化するので、作った矢が良く当たるがどうかは、実際に撃ってみないと分かりません。 |
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次は、ポイントをシャフトに接着します。 ポイントを熱して、ホットメルトを塗りつけます。 たっぷり接着剤が付いたら、シャフトに回しながら押し込んで、冷えて接着剤が固まるまで、押しつけておきます。 熱いうちに、押しつけながらはみ出した接着剤を、ティッシュなどで拭き取ってしまうと、後がきれいです。 この作業には、ノックを取り付けてはいけません。 ポイントが十分冷えたら、ノックを差し込みます。 ポイントの錘部分が短い場合、接着強度が足らない傾向があるようで、ポイントが抜けてしまう事故が発生したので、エポキシ接着剤による固定に変更しました。 |
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次は、矢羽根に両面テープを貼ります。 前後端の角を、ニッパーなどで切り取って、面取りしておきます。 はがれ防止です。 この矢羽根は、Kプロ・バイメタル社の、スピンベインです。 羽根がカールしており、シャフトが回転しやすいようになっています。 シャフトが回転することで、ジャイロ効果により、矢の飛行姿勢が安定します。 ただし、あまり回転しすぎると、空気抵抗の増加の方が無視出来なくなり、飛びません。 |
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次は、矢羽根の取り付けです。 三等分に、三枚の矢羽根を張ります。 この矢羽根は、スピンベインなので、シャフトに平行に取り付ければ良いですが、まっすぐな普通の矢羽根は、シャフトに対して、少し角度を付けて取り付け、矢が回転しながら飛ぶように設定します。 角度を付けて取り付ける場合は、目分量では難しいので、フレッチャーと言う道具を使います。 へたくそに取り付けると、矢がミソスリ運動をしながら飛びます・・・当然、当たりません。 ・・・矢羽根の数は、2〜4枚まで色々考えられますが、3枚がもっともバランスが良いようです・・・ 矢の向きが分かるように、1枚だけ色を変えます。 |
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いよいよ完成です。 最後に、矢羽根の前に収縮チューブをセットします。 本来は、これは必要無いのですが、私の弓の場合、シャフトよりノックの方が太いため、弓のレストと矢のノックが当たってしまうので、ゴムの収縮チューブを前に取り付けることで、クッションとしています。 これによって、発射時の矢の暴れが、多少軽減されます。 弱い弓に合わせて、矢のシャフトも極細を使っているので、この辺は調整しきれていません。 普通、12本を一セットで、矢作りをします。 ・・・使うのは、6本ですが、後は予備です・・・ |
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早速、試射してみました・・・ 40cmの的で、20m の距離です。 私の腕の範囲では、Good! の結果です。 今回の矢は、前作より、短く軽くしたので、照準の位置、レストの高さとも変化しました。 矢が軽くなったので照準点が上がった(弓が下向きになった)のは当然ですが、レストも少し下げて、矢を下向きにしないと、左右にばらけてしまってました。 アーチェリーの照準器は対物レンズ側が調節出来るので、ねらった所からずれた方向に調節します。 ・・・右にずれたら、照準点を右にずらす・・・下にずれたら、照準点を下に下げる・・・ 矢の当たり方が、円形に散らずに楕円形に散る場合は、横長ならレストを下げ、縦長ならレストを上げて、弦が矢を押す方向を調節します。 |
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ボウケース 弓を収納するために、自作しました。 コンパウンド・ボウは、分解せずに持ち運ぶので、ケースは大柄になってしまいます。 枠木は、ラワンで、パネルはシナベニアを、使用しています。 |
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http://www.a-rchery.com/ |
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ここもアーチェリーのサイト リカーブ・ボウ主体です・・・ネットショップでもあります。 |
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http://hana-no-yama-fac.main.jp/ |
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花の山アーチェリー アーチェリー射場のサイト・・・フィールド・アーチェリー場です。 |
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http://www.spot-hogg.com |
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スポット・ホッグ社のサイト レストのメーカーです。 |
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http://www.sureloc.com |
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シュアロック社のサイト サイトのメーカーです。 |
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http://www.prorelease.com |
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プロリリース社のサイト リリーサーのメーカーです。 |
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http://www.asahi-archery.co.jp/ |
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アサヒ弓具工業 シュアロックのハンティングサイトも扱っている老舗。 |
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http://www.kpro-archery.com/ |
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Kプロ・バイメタル社 割合リーズナブルな渋谷のショップ。 |
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http://importgear.jp/ |
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インポートギア スポットホッグ社のレストや、プロリリース社のリリーサーを扱っているネットショップ。 |
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http://desertarchery.com/ |
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アキュライザーを作っていた、ボウマンさんのアーチェリーショップ。 弓の製造は止めてしまったようですが、メンテナンスはしてくれるようです。 |
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