四輪自動車のページ
 
 
























 

PRIUS G's  2012年モデル

トヨタ製

我が家のファーストカーをリプレースしました。

ツアラーと言う用途は同じですが、ダウンサイジングして、FFのハイブリッドカーとなりました。

この車種はプリウスの中でも変わり種のスポーツタイプです。

ちなみに燃費は・・・
町乗り: 14km/L 程度で軽自動車なみです。
長距離: 20km/L 強・・・高速と峠道混在のケースです。
 

★PRIUS-G'sのページ

 

ミニインプレッション

1.4トンの車重に136馬力のシステム出力です。
車重があるのと、ホイルベースが長いので、ゆったりしたハンドリングです。(精度は良さそう)
スポーツタイプの割には良い乗り心地で、シートのホールドもなかなか良いです。
全体的には、ハンドル、アクセル、ブレーキの全ての操作にコンピュータが介入するため、車側からのフィードバックが薄い印象です。
又、変速機が無いのと、エンジンの制御がコンピュータ任せのため、スピード感が薄く、気をつけないとスピードが出すぎる傾向があります。
ブレーキは、回生領域と油圧領域で少し効き方が違います。
第一印象はカックンブレーキですが、操作に慣れて領域の使い分けが出来るようになれば、もう少しスムーズに制御できそうです。

燃料タンクは45Lなので、航続距離は 900kmくらい期待できます。
(エコタイヤに変えれば、1000Kmの航続距離となるらしいです)
 
 
 
ヨタ話・・・横置きエンジンなどのスタビライザ効果
横置きエンジンが高速で回っている場合、ジャイロ効果でロール方向の動きに抵抗します。
この効果は、エンジンが高回転になるほど有効なので、高回転を維持するようなドライビングでは、安定性を向上するように働きます。
縦置きエンジンの場合はこの効果は期待できないので、ロールバー、ダンパーの効きを強化する必要がある ?
 
オートバイの場合は、縦置きエンジンと横置きエンジンではこの影響の差はかなり大きく、それぞれに特徴を利用した運転テクニックが開発されていますが、4輪車の場合はどうでしょうか・・・
 
なお、オートバイの場合の前輪のジャイロ効果は安定確保だけではなく、操舵にも利用されています。
回転体の軸方向を変えるような外力を加えた場合、その力は90度位相がずれて働く(ジャイロ・プリセッション)ので、オートバイをカーブの内側に傾けると、前輪はカーブの内側に操舵されます。・・・この動きは、フロントフォークの重量バランスとジャイロ・プリセッションの両方が効いています。
 
 
ヨタ話・・・シリーズ・ハイブリッドの可能性・・・
シリーズハイブリッド方式の場合は、エンジンの出力はすべて電気エネルギーに変換されてから車輪に伝えられます。
このため、エンジンのクランクシャフトを不要とする・・・と言う離れ業が採用可能となります。
ピストンの往復運動を、リニア発電機で直に電気エネルギーに変換してしまい、この電力でモーターを回します。
この方式の場合は、ピストンの運動をコンピュータ制御出来るので、アトキンソンサイクルを含む複雑な動作が可能となり、効率、出力とも向上させられるかもしれません・・・どなたか作ってみませんか。
 
同じような発想をサスペンションに適用したのが、下記にリンクしたボーズの電子サスペンションです。
このサスペンションは、スプリングとダンパーをリニアモーターに置き換えて電子制御としたもので、スプリングと違って、バネ定数や減衰力を自由に制御出来るので、共振周波数を極端な低周波とすることが可能となり、路面の状態に関係なく安定した滑るような特性を実現しています。
(意図的にジャンプして、障害物を飛び越えることも出来るらしいです)
 
 
























 

SERA  1992年モデル

トヨタ製

ガルウイングドアのコンパクトカーです。

我が家に来て16年ほど、製造時から31年ほと稼働していましたが、欲しい方がいて手放しました。

本来はファニーカーとして作られていますが、意外に高い実用性が有ります。

ちなみに燃費は・・・
町乗り: 8km/L
長距離: 16km/L
程度です。

ATミッションが旧式なので、町乗り燃費は、今ひとつ伸びません。

SERAのページ
 

ミニインプレッション

1トンを切る車重に110馬力のエンジンです。
ホイルベースが短くハンドルも良く切れるので、旋回性はかなり良いです。
ただし、FFのオートマチックと言うこともあり、フロント荷重がかなり重いので、前輪に負担をかける走り方をすると、思うように走りません。

シートはスタイリッシュですが、座面の出来が今ひとつで、長時間乗っていると尻が痛くなるので長距離には向きせん。
 
 
 
うんちく・・・トルクコンバータ(トルコン)の話・・・
オートマチックミッションのパーツとして、トルクコンバータの組み込まれている車種が多数あります。
トルクコンバータは、エンジンのトルクを増幅する油圧装置で、クラッチの機能も兼ねています。
内部には、油圧ポンプ(インペラ)、タービン、ステータ、の3つの要素(部品)が組み込まれています。
 
・動作のあらましは以下のようになります。
エンジンの出力は油圧ポンプに入力されます。
油圧ポンプは遠心式のインペラで、エンジンの回転によって、遠心力でトルコンオイルを流動させます。
 
流動したオイルは、タービンに衝突してこれを回転させ、ステータで流れを変えてインペラに戻りつつ、インペラに残りのエネルギーを還元させます。
タービンは、後段のギア式自動変速機に接続されており、ここで減速されて車輪を回します。
流して走っている時など負荷が軽い場合は、インペラと、タービンはほぼ同じ回転でトルクの伝達はわずかです。
この時は、ステータは作動せず、空転しています。
最近の車は、この状態に入ると、インペラとタービンをロックアップクラッチで、一体にロックしてしまいます。
 
加速や登坂時など負荷が重くなってアクセルを踏むと、インペラの回転は上昇しますが、タービンの回転は負荷により下がってくるので、ステータが作動してオイルの流れを変え、タービンに衝突するエネルギーを増やします。
(オイルの運動エネルギーを増幅することになります)
この作用がトルク増幅を生み出します。
別の言い方をすると、タービンとインペラの回転差分だけトルクが増幅されます。
 
・車載部品の中でのトルクコンバータの位置づけは以下のようになります。
トルクコンバータは上記のような油圧装置なので、エンジンはトルクを発生するユニットとして位置づけられており、エンジンの回転数は車速とは直接関係がありません。
タービンが停止した状態で、インペラが限界まで回っている場合をストールと言い、効率はゼロで、エンジンの出力は全て熱となり、油温が上昇します、この時発生トルクは最大となります。
ストールは、ブレーキを踏んで車が停止した状態で、アクセルを全開にすると作り出せます。
(ストール状態を数秒以上続けると、トルコンがオーバーヒートして壊れますので、ご注意下さい)
エンジンの回転が低い場合は、インペラが十分な油圧を作り出さないので、タービンが回らずクラッチが切れたのと等価になります。(実際は半クラッチ程度なので、車は少し動いてしまいます)
 
油圧動作なので、オイルの粘性、造渦抵抗、発泡などの損失があり、機械的に結合した装置ほどの効率が出せません。
流して走る時の効率をアップするためにロックアップクラッチがあります。
トルクの増幅率を大きくすると効率が下がってしまうので、トルクの増幅率は2倍程度が多いです。
セラのトルコンの増幅率は、2.5倍で多いほうですね。
トルクの増幅率が4倍までとれれば、通常の車ではギア式自動変速機は不要となります。
 
・トルコン車のドライビングは以下のようになります。
トルクコンバータは、インペラとタービンの回転差を作る事で、大きなトルクを発生するので、いわゆるトルコンスリップが大きな状態を維持するようなドライビングは、効率と引き替えに大きなトルクが手に入り、機敏な走行を生み出します。
(アクセルは多めに踏んでおいて、ブレーキで速度調整をするようなスタイルです)
・・・アクセルを踏んだままでブレーキを掛けると、擬似的に負荷が重くなりトルコンスリップが発生する事でトルクが増大します。(これは鋭い加速につながります)
 
 
 
うんちく・・・サスペンションの話・・・
* ストラット方式
エスティマやセラのフロントサスペンションは、両方ともストラット方式です。
ストラットは、ウイッシュボーンサスのアッパーアームを省略したローコストのサスペンションですが簡単な構造の割に性能が出しやすいので、広く採用されています。
バネ下が比較的軽いのも長所です。
欠点としては、ロールセンターがかなり低くなってしまうので、ロールバーを付けてロール剛性を調整する必要があること、キングピンとダンパーが兼用なので、動きが渋くなりやすいなどです。
 
* トーションビーム方式
セラのリヤサスは、トレーリングアームをビームで繋いだ構造のトーションビーム方式で、ラテラルロッドで横剛性を補強してあります。
 
プリウスのリヤサスは、トーションビーム方式ですが、セラの時代からはかなり改良されており、セミトレーリングアームをビームで繋いだ構造で、ラテラルロッドは不要となっています。
又、旋回時の横Gによりトー角と、キャンバーが制御されるジオメトリーが採用されています。
 
トーションビーム方式は、簡単な構造で独立懸架が実現でき、軽量でバネ下も軽く出来ます、又ジオメトリーが狂いにくいのも長所です。
欠点としては、設計の自由度が小さいことで、ロールバー(トーションビーム)が構造材と兼用で付くので、剛性の調整が難しくなります。
・・・横剛性を上げるとねじり剛性も上がってしまいやすい・・・
この欠点のため、ストロークを大きく取ることが難しくなります。
 
トーションビームは、ロールバーと構造材を兼ねるため、色々な工夫がしてあります。
特に異方性の性質を持たせることがキモになります。(高度設計加工技術必要)
圧縮、引っ張り、曲げに対しては高い剛性を持ち、ねじれに対しては柔らかく変形しなければなりません。
これを実現するために、ビームの断面形状に工夫がしてあります。
よく使われる方式は、くの字断面と、Cチャンネル断面です。
 
* ウイッシュボーン方式(マルチリンクもほぼ同じ)
エスティマのリヤサスは、ウイッシュボーン方式です。
高級車の足回りにはよく使われる方式です。
最大の長所は、設計の自由度が大きくなることで、色々な特性を盛り込んだサスペンションが作りやすくなります。
特に、ストロークを大きく取った場合に、ストロークによるジオメトリーの変化を少なく設計出来るため、柔らかいサスペンションが作りやすく、高級車に向いています。
又、道路事情が悪い場合にも適正があり、発展途上国の大衆車にも使われています。
欠点は、部品点数が多くなるため、コストアップ、狂いが出やすい、重量が重くなりやすいなどとなります。
 
マルチリンクは、ウイッシュボーン方式のアッパーやロワーのアームを分割して、前後方向にも可動性を持たせた
構造となります。(タイヤが前後に動いた時にジオメトリを変化させる事が可能となる)
 
* リジッド方式 (非独立懸架)
最近では、トラックやオフロード車位しか見かけなくなりました。
リジッド方式は、左右の車軸のジオメトリが固定された方式を指します。
長所は、なんと言っても、頑丈なことです。
構造が簡単なので、狂いにくく、コストも安いです・・・ウイッシュボーンとは、ほぼ反対の得失となります。
欠点は、左右の車軸が反対方向にストロークした場合(ねじれ状態)に、ジオメトリーの変化が大きい事、バネ下が重くなってしまうことです。
 
 
*:現時点での性能的限界・・・
現時点では、上記のどの方式を採っても、タイヤに掛かる外力を全て制御することは出来ません。
対応不能な外力は、タイヤの変形やフレームの撓みによって吸収させている現状があります。
・・・サスペンションについては、まだまだ発展途上の技術で、改良の余地は沢山あると思われます。
 
                              























 

ESTIMA  1990年モデル

トヨタ製

22年ほどファーストカーとして使用しました。

このクルマは、エンジンが、運転席の下に、横倒しに搭載されており、ワンボックス・ワゴンとしては、回頭性が高く、運動性に優れています。

コスト高だったと見えて、後継車は、通常の横置きFFエンジンとなってしまいました。

ちなみに燃費は・・・
町乗り: 4km/L
長距離: 8km/L
位で、SERAの半分程度です。

車重があるのと、フルタイム4WDと言うこともあって、燃費は悪いです。

ミニインプレッション

1.9トンの車重に135馬力のエンジンです。
町乗りでは滑るようにスムーズに走りますが、加速が悪いので交通の流れには乗れません。
高速では、スピードを出すと、かなりのエンジン音となります。
又、加速が悪いので、ランプ加速、追い越しとも得意ではありません。
ただし、巡航速度はかなり高くエンジン音を気にしなければ、ワゴンにあるまじき高速走行でも安定して走れます。
長距離用ツアラーに向いた特性です。
オートマチックミッションは電子式で、キックダウンの検出も電気仕掛けなので、応答性がよく期待通りの変速をしてくれます。

雪道にはかなり強いため、スキー旅行などに使いましたが、チェーンを巻いての雪道走行の燃費は、2Km/L台となってしまいます。(低速走行を強いられるのと、フロントタイヤのスリップ率が大きいせいでしょうね)

燃料タンクは、75 L の大型です。
 
























 
ESTIMAの廃車時にセンターシートを取っておいたので、ベースプレートとキャスターを付けて、普通の椅子として使えるように改造しました。

通常の椅子として見ると、クッションが少し硬い感じはします。

車体との取り付けボルトの位置と高さは変則的になっており、そのままベースプレートには固定できなかったので、ワッシャを噛ませて高さを調節してます。

ベースプレートは、15mm厚のベニヤを使いました。

この椅子は、回転やスライドなどの調節機構が付いていることもありかなりの重量があります。
その分フレームが強固なため、ベースプレートは簡単に済みます。

フロントシートなどの場合は、車体から外してしまうとヘニャヘニャになってしまうので、通常の椅子に改造するのは、少し面倒です。

・・・椅子自体は製造後25年経っている事になります。




 
 
 























 

COSMO SE-GT (RX-5)

マツダ製

13B型ロータリーエンジン搭載。
トルコン式3速オートマチック

吸気はキャブレター式ですが、3元触媒が実用化しています。

燃費は・・・
町乗り: 4Km/L
長距離: 8Km/L
程度だったかな。

エスティマとあまり変わりませんね。

初めて新車で購入。
オートマチックも初めてでした。

14年ほど乗りました。

 

ミニインプレッション

1.2トンの車重で、140馬力のエンジンです。
長距離ツアラーに向いた特性ですが、空力的な洗練はまだ不十分で、超高速領域では直進性が落ちてきました。
ギア比がツアラー向きなのとオートマチック仕様なので鋭い加速ではないですが、ローギアの守備範囲が広いので、峠ではローギアのみで走りきれます。(ロータリーエンジンは高回転に強いので)
この車あたりから、マツダのサスペンションは改善されてきました。
フロントサスはストラットですが、ロワアームがAの字型となり、近代的な高剛性構造となりました。
リヤサスは、5リンクのリジッドです。(リジッドとしては近代的な構成です)

旋回性は割と良いのですが、車重があるので、ムリはききません。
この車もスキー旅行に使いましたが、雪道はからっきし弱いです。(油断すると、すぐスピンしてしまいます)
ハンドリング向上のため、足回りが硬いのが原因でしようね。

 
 























 

SAVANNA GS-II (RX-3)

マツダ製

12A型ロータリーエンジン搭載。
4速マニュアルミッション。

低公害車のはしりです。
3元触媒はまだ実用化されておらず、サーマルリアクタ方式の排気ガス浄化システムです。

燃費は・・・
町乗り: 4Km/L
長距離: 8Km/L
程度で、コスモとあまり変わらなかったと思います。

中古車で購入。



 

ミニインプレッション

この車は、直線番長です。
1トンを切る車重に、125馬力のエンジンなので、加速はそうとう良いですが、フロントのサスペンションが弱く、 ハンドリングが良くありません。(ド・アンダーで精度も無いです)
フロントサスは、ストラットですが、スタビライザーがテンションロッドを兼ねる構造で剛性が低いです。
リヤサスは、リーフ・スプリングのリジッドです。
・・・この時代のマツダのサスペンションはまたまだのレベルでした。

サイズ的には、今時のコンパクトカークラスですね。(セラなどと同じカテゴリーとなります)
 
 
■うんちく・・・ロータリーエンジンの話・・・
以前に上記のロータリーエンジン車に乗っていたことがあります。
ロータリーエンジンは、特性的には、ビックボア、ショートストロークの、2ストロークエンジンと考えることができます。
2ストロークエンジンの欠点である、掃気効率の低さを改善してあり、下記の「エンジン出力の話」で述べた、燃焼回数を増やして出力を上げる・・・に当てはまるため、4ストロークエンジンの二倍の出力が出ます
欠点として、吸排気タイミングの可変が難しく、広い回転域で効率を上げるのが困難です。
・・・基本的には、回転が上がるほど出力が出てくる特性となります・・・
・・・吸気タイミングを可変する方法が見つかれば、ミラーサイクル化して、効率を上げられる期待があるのですが・・・点火プラグの所に、サブバルブを付けて、遅閉じミラーサイクル化とか、サイドハウジングシャッターを付けて、早閉じミラーサイクル化が可能かもしれません。
 
 
うんちく・・・エンジンの出力の話・・・
エンジンの出力は、単位時間当たりに燃やせる燃料の量で決まります。
燃やせる燃料の量を増やすには、いくつか方法があります。
燃焼回数を増やす・・・高回転型にする。
一回の燃焼量を増やす・・・排気量を増やす。
一回の燃焼量を増やす・・・ポンプで空気を送り込む(チャージャーを付ける)
それぞれ長所短所がありますが、効率的には、高回転型は不利です。
 
間欠燃焼式の内燃機関では上記のような区分となりますが、連続燃焼式のタービンエンジンなどでは、単位時間当たりに燃やす燃料の量で出力が決まります。
大量の燃料を燃やすためには大量の空気(酸素)が必要なため、小型大出力を特徴とするタービンエンジンは大量の空気を吸い込みます。
 
 
 
ドライブ・テクニックの大技・・・トルコン付きAT車の運転・・・
トルクコンバータ式のAT車の能力を発揮させるには、ちょっとしたコツがあります。
この方式のミッションを積んだ車は、アクセルの踏み方とエンジンの回転が一致しません。
アクセルは、車速を制御するのではなく、トルクを制御するのが主体となっています。
トルクがほしい時にはアクセルを踏み込む、流して走る時にはアクセルを戻すという操作が基本となります。
トルクはほしいけれども、速度は上げたくない場合などは、アクセルを踏み込んでトルクを上げておき、同時にブレーキを踏んで、車速を制御するというような使い方をすると、精密な制御ができます。
車庫入れ、路地を曲がるとき、急加速・・・などの操作がこれに当たります。
この操作を実現するには、左足でのブレーキ操作をマスターすることが必須となります。
・・・この技は実は、坂道発進のテクニックを発展させたものです・・・
 
左足ブレーキには、他の利点としてアクセルとブレーキを踏み間違えることが起こりにくいというのもあります。
ペダルと足の関係が固定しており、踏み替え操作が発生しないので当然ですね。
(AT車はクラッチが自動なので、右足だけでアクセルとブレーキを掛け持ち操作するのは危険です)
 
なお、こういったアクセルとブレーキの同時操作は、大型オートバイでは必須の技術で、これをマスターしないと路地を曲がる時に大回りとなってしまいます。
 
ちなみに、手動ミッションの場合は、右足はアクセルとブレーキを踏み替えるため、間違える可能性がありますが、左足は、クラッチ専用に確保されるので、パニック時にも、最低限エンジンの動力は切り離されます。
 
手動ミッション車に長年乗ってきた人が、オートマチックに乗り換えて、左足ブレーキをマスターすると、パニックストップ時には、両足でブレーキを踏むようになるので、強力な制動力が期待できます。
 
 
ドライブ・テクニックの小技・・・サイドブレーキの使い方・・・
左足ブレーキの話をしましたが、同系統の小技にサイドブレーキを走行時に使う・・・と言うのがあります。
サイドブレーキは、強力なブレーキ能力は有りませんが、車輪のフリクションを制御出来るので、色々使い道があります。
 
 1. 車庫入れなどで、低速で高いトルクがほしいときに使う。
サイドブレーキをかけた状態で車を動かすと、車輪の摩擦が大きくなっているので、外乱の影響を小さくできます。
マニュアルミッションの車や、AT車でも右足でブレーキを操作する場合は、車庫などの狭い所で且つ傾斜が付いている場合など、アクセルとブレーキの踏み替えだと、車が動きすぎて危ない場合があります。
この時、サイドブレーキをかけたまま車を動かすと、動きが渋くなっているので、車が動きすぎてしまう問題を軽減できます。
 
 2. マニュアルミッション車の場合は、サイドブレーキターンと言う大技もあります。
これは大技なので、関心のある方は、ググってください。
・・・FRのAT車は、この技はうまくいきません・・・
・・・AT車でも、FFでサイドブレーキがリアに効くタイプなら、多少は可能・・・
 
 3. 悪路でスタックした場合に使う。
ぬかるみや雪道で、動かなくなってしまった場合、駆動輪にサイドブレーキが効く車は、サイドブレーキを効かせて、
そろりと脱出・・・と言う技があります。
これは、駆動輪のデフギアの動作をサイドブレーキで制限するためで、各タイヤの摩擦力の差よりも、サイドブレーキの摩擦が大きければ、片方の車輪だけ空転するのを押さえられることになり、リミテッドスリップデフの働きと類似の動きをさせられるためです。
 
・・・FF車では、たいてい後輪にサイドブレーキが付いているので、この技は使えないケースが多いです・・・
 
・・・最近の車に付いている、VSCシステムは、これと類似の動作をブレーキコンピュータにやらせて、限界走行時の安定性を向上させています。
・・・スリップ率が大きくなってきた車輪のみ、ブレーキを個別にかけることで、グリップが失われるのを遅らせる仕組みです・・・
(この仕組を発展させると、メカニカル・リミテッドスリップデフは、電子装置に置き換え可能です)
(電動カーまで視野に入れれば、メカニカル・デフギアそのものも、電子装置に置き換えられます)
(ホイル・イン・モーターを使えば、比較的簡単に実現できます)
 
 
うんちく・・・熱機関(エンジン)とは ?
気体の温度にたいする性質
 1. 気体を圧縮すると温度が上がります。
   これを断熱圧縮(運動エネルギーを熱エネルギーに変換)と言います。
 
 2. 気体を膨張させると温度が下がります。
   これを断熱膨張(熱エネルギーを運動エネルギーに変換)と言います。
 
この性質を利用して、熱エネルギーを運動エネルギーに変換する装置が熱機関(エンジン)です。
 
熱エネルギーの本質
熱エネルギーの本質は、分子の運動エネルギーの総和となります。
気体の場合、体積を変化することによって、総エネルギーは同じでも、単位面積当たりの圧力(分子の衝突エネルギーの和)は変化します。
 
総エネルギーが増えれば、圧力が上がって体積が増加し、総エネルギーが減れば圧力が下がって体積が減少します。
気体の温度に対する性質はここに依存しています。
 
蛇足ですが、液体は熱エネルギーで体積が変わらないので、熱機関は作れません。(運動エネルギーに変換出来ない)
 
実例・・・
エンジンのシリンダ内部の例では、圧縮行程と膨張行程では、断熱圧縮の熱エネルギーと断熱膨張の熱エネルギーは差し引きされてゼロとなり、燃焼エネルギー分が熱エネルギーの出力となります。
 
ミラーサイクルエンジンでは、膨張比を大きく取ってますが、これは断熱膨張で排気温度を下げて、差分の熱エネルギーを運動エネルギーに変換していることになります。
 
排気タービンは、排気されたガスを膨張させる(温度を下げる)ことで、熱エネルギーを運動エネルギーに変換する装置です。
タービンの入り口と出口の温度差(温度差圧力差となります)が取り出せた熱エネルギーとなり、これがタービンを回転させます。
通常のターボエンジンでは、得られたエネルギーでコンプレッサを動かし、エンジンに取り込む酸素量を増大させて、大量の燃料を燃焼させますが、ハイブリッドエンジンの場合は、得られたエネルギーで発電機を動かしてバッテリーに蓄える方法もあります。
 
 
■ヨタ話
ディーゼルエンジンの排気ガス対策で、マツダが画期的な方法を実用化しましたが、ヨタ話的に別案を考えてみました。
 
ガソリンエンジンで実用化された可変圧縮比機構をディーゼルエンジンに適用すると言う案です。
吸気バルブの可変タイミングを前提として可変圧縮を適用すると、全回転領域でストイキ燃焼が可能かもしれません。
ストイキ燃焼なら三元触媒が使えます。(ガソリンエンジンで実績あり)
 
元々ディーゼルの排気ガスが汚いのは、高負荷時の燃え残りのススと低負荷時の過剰酸素による窒素酸化物ですが、可変圧縮を適用すると低負荷時には混合気の量を減らせるので、ストイキ燃焼が可能となり過剰酸素はカットできます。
(混合気が少量の場合圧縮比を上げて着火させる)
負荷時のススに関しては、高負荷にしなければ良いと言う逃げ手があります。
(ハイブリッドなら)
これを具現化すると、マツダとは違う方法で排気ガスをクリーンにすることが可能かもしれません。
 
可変圧縮を前提とすると、燃料は間接噴射方式とし、圧縮比を可変することで点火タイミングを制御できるかもしれません。
この方法だと高負荷時のススの問題が低減できる可能性があります。
 
 
 
■リンク

http://www.bose.co.jp/jp_jp?event=VIEW_STATIC_PAGE_EVENT&url=/automotive/technology/suspension_system/index.jsp
ボーズの未来的サスペンションの試作記事です。
 
 
 
 
 
 
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